携帯レコーディングの可能性

毎度のことでたいへん恐れ入りますがご無沙汰しております。

今回は、ここ最近たてつづけにボーカルミックスの依頼で送っていただいたボーカルデータが携帯端末の内臓マイクで収録したものだったため、これについて思うこととおすすめ機材について考えてみます。

  1. 内蔵マイクでレコーディング、アリかナシか
  2. 携帯レコーディング機材おすすめ:低予算編
  3. 機材おすすめ:数万円編
  4. おわりに

1.内蔵マイクでレコーディング、アリかナシか

個人的には迷わず「ナシ」と言いたいところですが、時代的にそうも言ってられません。近い将来、デスクトップ型のパソコンは完全に業務用と化して、携帯端末による音楽制作が主流になっていくのは必然の流れなのでしょう。

そういう意味で、内蔵マイクの性能も向上していくでしょうし、指向性や感度の調整ができる機種も登場してくるかもしれません。もしかしてもうあるんでしょうか。

一方で、携帯端末はあくまで携帯するものであり大衆向けと考えられますので、メーカーが内蔵マイクというピンポイントな機能にそこまで力を入れるだろうか、というようにも思います。

いずれにせよ、音楽制作の敷居が低くなっていくにつれて、逆に音質的にプロとアマの格差が広がっていく可能性もあります。

ふつうに考えてプロの音源とアマの音源の最大にして明確な差は「音質」なわけですから、ここを「携帯の内蔵マイクでいいや」と考えるのか「より良い音を求めて専用機材を使おう」と考えるのかは大きな違いだと思います。

個人的に考える内蔵マイクの欠点は以下の通りです。

  • 声以外の音も多く収録されるため音量を上げられない(環境ノイズが大きくなる)
  • 低音が足りないので音の芯が無くなる
  • 高音が目立つので「s」や「sh」の音と他の音の差が激しい
  • 位置セッティングが安定しないので録り音が安定しない

ということで、数千円から整えられる機材について調べてみたいと思います。

2.携帯レコーディング機材おすすめ:低予算編

以前の記事にも書きましたが、実際のレコーディングは「機材とエンジニアリング」という両方の要素が大事ですので、機材を手に入れればいいというだけではありません。ですが機材が無いことにはエンジニアリング先に立たず、ということで、まずは最低限の機材を調べてみました。

IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / iRig Voice White IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / iRig Voice White

なんと5000円台。二股の専用アダプタを携帯に直接さして、このマイクとヘッドフォンを装着すれば準備完了、という手軽さ。しかもコンデンサーマイク。

無料の純正アプリも用意されているということで、かなり手軽に高音質を楽しめるのではないでしょうか。すごい時代。

3.おすすめ機材:数万円編

もう少し予算があるなら、マイクとオーディオインターフェースを別にしようかな、というのがまず考えることですね。

マイクについては以前ご紹介しました(こちらの記事)ので、ここでは携帯対応のオーディオインターフェースをチェックしてみます。

IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / iRig Pro I/O オーディオインターフェイス IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / iRig Pro I/O オーディオインターフェイス

さっきと同じメーカーのオーディオインターフェース版。接続の可能性も広がりますし、小さいので携帯性も確保したまま。18000円は高めかもしれませんが、「小さいのに高い」というのは個人的に好きです。

TASCAM ( タスカム ) / iXZ iPad iPhone iPod touch用オーディオインターフェイス TASCAM ( タスカム ) / iXZ iPad iPhone iPod touch用オーディオインターフェイス

3600円という安価でも、カッコいい見た目と安心のTASCAM製ということで。マイクに予算を割けます。電池駆動。

FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / iTrack Solo オーディオインターフェイス FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / iTrack Solo オーディオインターフェイス

マイク(マイクプリ)と言えば信頼と実績のFOCUSRITEですよね。14000円台という低価格なのに高品質の音が期待できます。ライトニングケーブルでiPadにつなげて使用するそうです。

4.おわりに

内蔵マイクの品質については今後に期待、ということで、現状では今回ご紹介したような機材が最低ラインかと思います。

あくまで最低限の音源を完成させるには、ということですので、デモ的なものや部分的なものについては内蔵マイクで良いと思います。

収録時のエンジニアリングの部分にこだわれば、あとはミックスでなんとかできる音が録れるかもしれない、とも思います。

ですが、せっかく心のこもった音源を作ろうというのであれば、中身だけではなく服装もそれなりにしたいところです。一流のコース料理を食べに行くなら、おしゃれして出かけるところから楽しみたいですし。

それにしても、携帯の内蔵マイクで収録したデータをよくいただいていたのでもうちょっと入手しにくいのかと思いましたが、こんなに手軽に導入できるとは思いませんでした。実は出張レコーディング用に、機材がたくさんいれられるバッグを買ったばかりなのですが、こっちの方が安かったかな……。