主張するダンス系キック音作り2つのヒント

週末にニコニコ動画で公開しましたボカロ新曲『Love is Falling』が、まえのめりPの曲にしては珍しく好評いただいています。ありがとうございます。

ぼくにとってボカロ曲は、好きなこと・気になることを時間に追われずじっくり研究して作れるというのが楽しみの1つなのですが、この曲で最も気にした点が「主張するダンス系キック(=バスドラム、ベースドラム、大太鼓のこと)」をどう実現するか?でした。

今回はそのキモとなったと思われる2つのポイントについてご紹介します;

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【Transient Shaperでキックの存在感を増す】

全DTMerの神・葛巻善郎さんの著作『ミックス・テクニック99』によると、この手のプラグインとしてはSPL Transient Designerというものが人気のようですが、WindowsユーザーのDTMer御用達のCakewalk SONARにも同様のことができそうなプラグインが標準搭載されています。

それが写真右上のTS64 Transient Shaperです。ぼくの場合ではVST to RTASを介してPro Tools上で使っています。

Transient Shaperは基本はコンプのような動作をするみたいなんですが、オレンジの円で囲っている「Attack」と「Decay」がとにかく劇的な違いを出してくれるんです。

 

・Attackの値を増やすとキックのアタック成分が強調されて、キックの音作りに重要とされている「皮鳴り」が自然な感じで出てきます。下手にEQをあれこれするよりも音楽的な気がします。

・Decayの値を増やすと余韻が長くなり、「ドッ」という音が「ドフッ」とか「ドフォーッ」という音に変わります。原音にそんな音入ってたか?というくらい劇的な変化も出せまして、うまく調整できればオケの中で際立つキックの音が実現できると思いました。

 

【サイドチェインをふた手に分けてキック用の場所を作る】

数年前からブームが続いているEDMではお馴染みの技です。この曲はコード楽器がアコースティックなのでどうかな、と思いましたが、最終的にはやはりサイドチェインを軽く施すことでよりハウスらしいジャンル感を出すことができました。

ベース(写真左上のコンプ)と、伴奏楽器をまとめたバストラック(写真左下のコンプ)との2系統に分けて別々に調整できるようにします。

それぞれの楽器の音色に影響が出ない程度で最大限にかける、ということを目指しました。2基のコンプのゲインリダクション、レシオ、リリース値の違いにご注目ください。

 

余談ですが、マスタリングの際に自分のお気に入りのハウス曲をリファレンスとしました。アナライザーで周波数帯域をチェックしたところ30Hz以下の帯域もガンガン鳴ってましたので、今まで疑いも無くやってきた「30Hz以下は非可聴帯域なのでカット」ということをこの曲ではやっていません。

狙いやジャンルによって時にはセオリーから外れることも大切なんですねぇ。

 

木曜a.k.a.まえのめり@48kHz


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